教育と倫理

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 福岡市立の小中学校教員採用試験の問題と酷似した予想問題なるモノが一部受験者に出回っていたという。事実関係の調査はこれから行われるのだろうが、教育の再生が政権の最重要課題とされるなかでのこの体たらくは何事かと言いたい。

 問題作成に携わった者の倫理道徳が退廃しているのは言うまでもないが、願わくば、その試験を受けて、今春に採用が内定した受験者に、「出題されるとわかっていて」予想問題を入手した者がいないことを望みたい。もし、わかっていて予想問題を入手したものがいたらと思うとぞっとする。子どもたちに知識のみならず、倫理・道徳を教えるはずの先生を志す者が倫理・道徳を踏みにじっていることになってしまうからである。

  これから調査がすすんで、事実関係が明らかになっていくだろう。しかし、事実関係の究明だけにとらわれてはいけない。犯人探しだけしてもそれはとかげの尻尾切りである。教育に関わる者のなかにさえ、倫理・道徳が欠如している者がいることの恐ろしさとその欠如はなぜ、どのように生起したのかをとことん考えぬかなければなるまい。

 先年の未履修問題でもそうだが、教育を単なるサービスとして捉える傾向が強くなりすぎてはいないだろうか。本来教育は、知育・徳育・体育が三位一体でなければならないが、知育ばかりが突出しているように思う。

 地域の繁栄、国家の繁栄は知・情・意のバランスのとれた優れた人材によってもたらされたことを忘れてはならないのである。

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